
イギリスノッティンガムシャーの建設業者であるウェズリー・グレンジャー・スミス(66歳)が、経営破綻した4つの会社から70万ポンド以上を不正に引き出し、自身のカジノ口座に移したとして逮捕され、リンカーン王立裁判所にて2年4ヶ月の懲役刑を言い渡されました。
事件の経緯
グレンジャー・スミスは、2014年から2017年にかけて、以下の4つの会社の取締役(またはそれに準ずる立場)として活動していました。
- Eagleport Ltd
- Smiths Constructions Ltd
- Smiths Construction Services Ltd
- Smiths Construction Specialists Ltd
彼はこれらの会社から、総額702,050ポンドを不正に引き出し、自身のカジノ口座に入金していたことが判明。各会社は、資金の不正流用後、間もなく経営破綻し、清算手続きに入りました。
ギャンブル依存と不正行為

グレンジャー・スミスは、自身のギャンブルによる勝利金でほとんどの資金を返済したと主張していますが、破産管財サービスは、約57万ポンドの現金が会社に返済されたことを確認しています。
しかし、裁判所は、彼が会社の資金をギャンブルに使う権利はなく、また、4つの会社の最善の利益のために行動していたとは到底考えられないと判断しました。
破産管財サービスの主任調査官、マーク・スティーブンスは、今回の事件について以下のように述べています。
ウェズリー・グレンジャー・スミスは、経営破綻した会社から巨額の資金を引き出し、カジノでのギャンブル資金に充てました。取締役、またはグレンジャー・スミスのよう取締役として行動する者は、意図的かつ不正に債権者の手の届かないところに資金を置いた場合、破産管財サービスによって引き続き起訴されます。
企業に求められる不正防止対策
この事件は、ギャンブル依存症が個人だけでなく、企業にも深刻な影響を与えることを示しています。グレンジャー・スミスの行為は、会社の従業員や取引先、債権者など、多くの人々に経済的な損失を与えました。
企業においては、資金管理の徹底や内部監査の強化など、不正防止のための対策が不可欠です。また、従業員のメンタルヘルスケアにも配慮し、ギャンブル依存症を含む依存症問題への理解を深める必要があります。
個人においては、ギャンブル依存症のリスクを認識し、自己管理を徹底することが重要です。もし問題を感じたら、専門機関に相談するなど、早期の対応が求められます。