ヨーロピアンブラックジャックとは?その歴史と魅力を紐解く
ヨーロピアンブラックジャックは、その名の通りヨーロッパのカジノで広くプレイされているブラックジャックのバージョンです。その歴史は18世紀フランスに生まれた「21(ヴァン・エ・アン)」にまで遡り、その後ヨーロッパ全土に広まりました。
アメリカで発展したブラックジャックとは異なり、ヨーロピアンブラックジャックはより伝統的なルールを保持しています。
まずはヨーロピアンブラックジャックの基本とその他のブラックジャックとの違いを見ていきましょう。
ヨーロピアンブラックジャック基本情報
デッキ数 | 6~8デッキ |
10のカード | あり |
ディーラーのカード | 1枚(アップカード) |
ディーラーのソフト17 | ゲームによって異なる |
プッシュ | あり |
スプリット | 可 |
Aの再スプリット | 可 |
スプリット後のダブルダウン | 不可 |
インシュランス | 可 |
サレンダー | 不可 |
ナチュラルブラックジャックの配当 | 2.5倍 |
特別役 | なし |
ヨーロピアンブラックジャックのカードの価値と役は、クラシックブラックジャックと全く同じです。
- カードの価値:ブラックジャックでは、カードの数字がそのまま点数となります。ただし、Aは状況に応じて1点または11点のどちらかとして数えることができます。絵札(J、Q、K)は全て10点として扱われます。
- ブラックジャック:Aと10のカードの組み合わせ。最も強い役であり、特別な配当が得られます。
- ソフトハンド:Aを含み、Aを11として数えても21を超えない手札。柔軟な戦略が立てられるため、有利な状況になりやすいです。
- ハードハンド:Aを含まない、またはAを1として数えなければならない手札。戦略の選択肢が限られるため、注意が必要です。
クラシックブラックジャックと異なるルール
ヨーロピアンブラックジャックと通常のブラックジャックの大きな違いは、ディーラーの伏せているカード、つまりホールカードの有無です。通常のブラックジャックでは、ディーラーに1枚の表向きのカード(アップカード)と1枚の伏せたカード(ホールカード)が配られた後に、プレイヤーへのカード配布が始まります。
一方、ヨーロピアンブラックジャックではホールカードがありません。そのため、通常ブラックジャックに比べ、プレイヤーが「10」を引く確率が上がり、ディーラーの2枚目が「10」になる確率が下がります。ディーラーの2枚目が「10」でない場合、ディーラーは3枚目を引く可能性が高くなり、結果としてバーストする確率も上昇します。
ヨーロピアンブラックジャックのゲームの流れ
ヨーロピアンブラックジャックの基本的な流れを押さえておきましょう。
ベットする
通常のブラックジャックと同様に、プレイヤーごとに1つのベットエリアが用意されています。ベット額を決めてチップを置きましょう。
プレイヤーに2枚ずつ、ディーラーに1枚のカードが配られる
ヨーロピアンブラックジャックではまず、プレイヤーに2枚、ディーラーに1枚のカードが配られます。
プレイヤーのアクション
プレイヤーは、以下のアクションから選択できます。
- スタンド: 手持ちのカードで勝負する
- ヒット: もう1枚カードを引く
その他、賭け金を2倍にして、もう1枚だけカードを引くダブルダウンや、同じ数字のカードが2枚配られた場合、手札を2つに分けてそれぞれに賭け、別々にプレイするスプリットのアクションを選択することができます。
勝敗の決定
プレイヤーの勝利条件は以下の通りです。
- ディーラーがバーストする(手札の合計が21を超える)
- ディーラーよりも21に近い点数を持つ
その他ではプレイヤーがブラックジャックの場合ももちろん勝利条件となります。
ヨーロピアンブラックジャックのハウスエッジがクラシックブラックジャックよりわずかに高い理由
種類 | ハウスエッジ |
アトランティックシティブラックジャック | 約0.35% |
ベガスストリップブラックジャック | 約0.35% |
ポンツーン | 約0.38% |
スパニッシュ21 | 約0.40% |
クラシックブラックジャック | 約0.5% |
ブラックジャックスイッチ | 約0.58% |
ヨーロピアンブラックジャック | 約0.62% |
ダブルエクスポージャーブラックジャック | 約0.66% |
プログレッシブブラックジャック | 約2% |
ヨーロピアンブラックジャックのハウスエッジは、一般的に約0.62%と言われており、クラシックブラックジャックのハウスエッジである約0.5%と比較すると、わずかに高い数値です。
ヨーロピアンブラックジャックでは、ディーラーに配られるカードが1枚だけで、2枚目のカードが何か分からない状態でアクションを選択しなければなりません。これは、プレイヤーにとって不利な状況であり、ハウスエッジを高める要因となります。
基本戦略とカードカウンティングをマスターして勝率アップ
ヨーロピアンブラックジャックでも、基本戦略とカードカウンティングは有効な戦略です。
基本戦略
基本戦略は、統計学に基づいて、各状況における最適な行動をまとめたものです。ヨーロピアンブラックジャックの基本戦略は、クラシックブラックジャックの基本戦略と似ていますが、ディーラーの2枚目のカードが分からないという点で、より複雑な判断が求められます。
カードカウンティング
カードカウンティングは、既に使用されたカードを数え、残りのカードを予測することで、ベット額を調整し、勝率を高める高度な戦略です。ヨーロピアンブラックジャックでも有効ですが、ディーラーの2枚目のカードが分からないため、クラシックブラックジャックよりも難易度が高くなります。
まとめ
ヨーロピアンブラックジャックは、18世紀フランスで生まれた「21」を起源とし、ヨーロッパで広くプレイされているブラックジャックのバリエーションです。カードの価値や役はクラシックブラックジャックと同じですが、ディーラーの2枚目のカードが伏せられているという点で、クラシックブラックジャックとは大きく異なります。このルール変更により、プレイヤーはディーラーの2枚目のカードが何か分からない状態でアクションを選択しなければならず、情報的に不利な状況に置かれます。
この情報的不利に加えて、ヨーロピアンブラックジャックではスプリット後のダブルダウンができないという制限もあり、これらの要素が組み合わさって、ハウスエッジはクラシックブラックジャックよりもわずかに高くなっています。
しかし、ヨーロピアンブラックジャックでも、基本戦略とカードカウンティングを駆使することで、勝率を高めることは可能です。基本戦略は各状況における最適な行動をまとめたものであり、ヨーロピアンブラックジャックではディーラーの2枚目のカードが分からないという点で、より複雑な判断が求められます。カードカウンティングは、既に使用されたカードを数えることで残りのカードを予測し、ベット額を調整する高度な戦略ですが、ヨーロピアンブラックジャックでは難易度が高くなります。
ヨーロピアンブラックジャックは、クラシックブラックジャックとは異なるルールと戦略が求められる、奥深いゲームです。ルールを理解し、最適な戦略を駆使することで、このエキサイティングなゲームを最大限に楽しむことができるでしょう。