ベガスストリップ・ブラックジャックとは?その歴史と魅力を紐解く
ベガスストリップ・ブラックジャックは、17世紀フランス発祥の「21」というゲームが起源です。アメリカに渡り、1931年のネバダ州でのカジノ合法化を機に、ラスベガスのベガスストリップで独自に進化しました。
複数デッキの使用やディーラーのソフト17でのスタンドなど、カジノ側に有利なルールが導入されましたが、同時にゲームの戦略性が高まり、人気を博しました。
1960年代にはカードカウンティング理論が登場し、ブラックジャックはスキルゲームとしての側面が強まりました。これにより、ベガスストリップ・ブラックジャックはさらに人気を集め、多くのプロプレイヤーを生み出しました。
現在では、ベガスストリップ・ブラックジャックは世界中のカジノで楽しまれています。その人気は、ゲーム自体の魅力に加え、ベガスストリップという特別な場所が持つ華やかさや興奮も大きく影響しています。
ベガスストリップ・ブラックジャックの基本はクラシックブラックジャックと同じ
ベガスストリップ・ブラックジャックは、クラシックブラックジャックと同じくプレイヤーとディーラーがそれぞれ2枚のカードを受け取り、手持ちのカードの合計値を21に近づけることを競うゲームです。
ベガスストリップ・ブラックジャック基本情報
デッキ数 | 4~6デッキ |
10のカード | あり |
ディーラーのカード | 2枚(アップカードとホールカード) |
ディーラーのソフト17 | ヒット |
プッシュ | あり |
スプリット | 可 |
Aの再スプリット | 可 |
スプリット後のダブルダウン | 可 |
インシュランス | 可 |
サレンダー | 不可 |
ナチュラルブラックジャックの配当 | 2.5倍 |
特別役 | なし |
基本はクラシックブラックジャックと同じですが以下の点が異なります。
ベガスストリップ・ブラックジャックのデッキ数は4~6デッキ
クラシックブラックジャックでは6~8デッキを使用しますが、ベガスストリップ・ブラックジャックでは4~6デッキのカードを使用します。
ソフト17でもディーラーはスタンドしない
ディーラーがソフト17でヒットする場合、手札の合計が21を超えてバーストする可能性が高まります。これは、プレイヤーにとって勝利のチャンスが増えることを意味します。
スプリットしたエースではブラックジャックがカウントされない
クラシックブラックジャックではAのスプリット後に10の価値を持つカードを引いた場合、ブラックジャックが成立しますが、ベガスストリップ・ブラックジャックでは、Aのスプリット後に10の価値を持つカードを引いてもブラックジャックが成立しません。そのため例え21でディーラーに勝利した場合でも2.5倍の配当を獲得することができません。
サレンダーができない
サレンダーは、最初の2枚のカードを見て、プレイヤーが明らかに不利だと判断した場合に、手札を放棄し、賭け金の半分を取り戻せるルールです。ベガスストリップ・ブラックジャックではサレンダーが禁止されていので、不利な状況でもゲームを続けなければならず、結果的に損失が大きくなる可能性があります。
ベガスストリップ・ブラックジャックのゲームの流れ
ベガスストリップ・ブラックジャックは、プレイヤーとディーラーがそれぞれ2枚のカードを受け取り、手持ちのカードの合計値を21に近づけることを競うゲームです。
ベットする
プレイヤーは、ゲーム開始前にチップを賭けます。テーブルごとにミニマムベットとマキシマムベットが設定されています。
カードの配布
ディーラーは、プレイヤーと自分自身にそれぞれ2枚のカードを配ります。プレイヤーのカードは2枚とも表向きに、ディーラーのカードは1枚を表向きに、もう1枚を裏向きに置きます。
戦略の幅を広げる5つのプレイヤーアクション
プレイヤーは、自分の手札とディーラーのアップカード(表向きのカード)を見て、以下のアクションを選択できます。
- ヒット (Hit): カードをもう1枚引く。手札の合計が低い場合や、ディーラーのアップカードが高い場合に有効です。
- スタンド (Stand): カードを引かずに手札を確定させる。手札の合計が21に近い場合や、ディーラーがバーストしそうな場合に選択します。
- ダブルダウン (Double Down): 最初の2枚のカードを見て、勝てる可能性が高いと判断した場合に選択できる強力なアクションです。賭け金を2倍にする代わりに、1枚だけカードを引いて手札を確定させます。
- スプリット (Split): 最初の2枚が同じランクのカードだった場合に選択できます。手札を2つに分け、それぞれに賭け金を置いて別々にプレイします。
- インシュランス(insurance): ブラックジャックにおけるインシュアランスとは、ディーラーの表向きのカードがAだった場合に、プレイヤーが任意で選択できる保険のことです。ディーラーの表向きのカードがAの場合、プレイヤーは任意でインシュアランスに賭けることができます。インシュアランスは最初の賭け金の半額まで賭けることができ、ディーラーがブラックジャックの場合、賭け金の2倍が払い戻されます。ディーラーがブラックジャックでない場合、インシュアランスの賭け金は没収されます。
勝敗の決定
- ディーラーがバーストする(手札の合計が21を超える)
- ディーラーよりも21に近い点数を持つ
- プレイヤーがナチュラルブラックジャック
ハウスエッジの視点ではクラシックブラックジャックよりプレイヤー不利
種類 | ハウスエッジ |
アトランティックシティブラックジャック | 約0.35% |
ベガスストリップブラックジャック | 約0.35% |
ポンツーン | 約0.38% |
スパニッシュ21 | 約0.40% |
クラシックブラックジャック | 約0.5% |
ブラックジャックスイッチ | 約0.58% |
ヨーロピアンブラックジャック | 約0.62% |
ダブルエクスポージャーブラックジャック | 約0.66% |
プログレッシブブラックジャック | 約2% |
ベガスストリップ・ブラックジャックのハウスエッジは、約0.35%と、クラシックブラックジャックの約0.5%に比べて低くなる傾向があります。
これは、クラシックブラックジャックの場合はソフト17でディーラーがスタンドすることに比べ、ベガスストリップ・ブラックジャックでは、ディーラーがソフト17の場合でもヒットをしなければならないことでバーストする確率が高くなっていることが要因とされています。
まとめ
ベガスストリップ・ブラックジャックは、17世紀フランス発祥の「21」がアメリカに渡り、1931年のネバダ州でのカジノ合法化を機に、ラスベガスのベガスストリップで独自に進化したブラックジャックのバリエーションです。複数デッキの使用やディーラーのソフト17でのヒットなど、カジノ側に有利なルールが導入されながらも、戦略性の高さが人気を博し、1960年代に登場したカードカウンティング理論によってさらに人気は加速しました。
ベガスストリップ・ブラックジャックの基本ルールはクラシックブラックジャックとほぼ同じですが、いくつかの点で異なります。まず、使用するデッキ数は4~6デッキと、クラシックブラックジャックよりも少なくなっています。また、ディーラーはソフト17でもスタンドせず、ヒットしなければなりません。さらに、スプリットしたエースに10の価値を持つカードを引いてもブラックジャックとはみなされず、サレンダーもできません。
これらのルール変更により、ベガスストリップ・ブラックジャックのハウスエッジはクラシックブラックジャックよりもわずかに低くなる傾向にあります。これは、ディーラーがソフト17でヒットしなければならないルールが、ディーラーのバースト確率を高めるためです。
ベガスストリップ・ブラックジャックは、クラシックブラックジャックのルールをベースにしながらも、独自のルール変更によって戦略性と興奮度を高めたゲームです。